そもそもなぜ割引をして広告代を支払ってクーポン誌に載せたり、ディスカウント広告を発行するのか。


サロンの目的とお客様の目的

サロンの目的
①サロンとエステコースを知ってもらいたい
②サロンを実際に利用して気に入ってもらい、再販再来店につなげたい。

お客様の目的
安くエステに来てやってもらいたい


ここに両者のギャップがすでに生まれています。 
このギャップにメリットはほぼありません。 

クーポンギャップのデメリット


口コミ情報が混乱する可能性

エステサロン側としては、正規価格での施術と、クーポン価格の施術がまるっきり同じでは困ります。
そのコース自体の価値がわからなくなってしまうので、既存のお客様や会員様にもそれでは失礼です。
なのでクーポン利用者には価格相応の体験用の内容になっていることが多いです。

なので、ここでクーポン利用者の「実際にコースを受けてみてどうだった」という口コミがあてにならないものであることがおわかりいただけると思います。
実際に通っていただく内容と異なるサービスに対しての口コミなので、これを見た「実際に通ってみたいなと思って来店するつもりでいた」お客様への不正確な口コミ情報が出来上がってしまいます。
(接客サービスや施設の清潔感、リネンはどうだったかなどに関しては別。あくまでも、施術内容に関して。)

お客様は顧客差別というもの理解するべきです。
エステサロンだけではなく、サービス業は基本的に水商売ですから、一見さんよりも会員様やファン層のリピーター様を優遇します。

景品表示法有利誤認

クーポンやフラッシュマーケティングによるサロン価格の割引表示が、これってありなの?何でこんなに割り引けるの?とおもうものに時々であいます。
例えば…
お試しコース通常30,000円→15,000円とか…
通常21,000→お試し価格9,500円とか…

Webや広告でこのように表示しているにも関わらず、実際過去に、現在に、通常価格で販売した実績や事実が皆無であると、有利誤認とみなされます。

これね、数年前まで私ちゃんと理解していなかったんですが、振り返ると当時働いていたサロンで、広告では上記の「例えば…」のように集客しているにも関わらず、通常価格で追加コース契約したこと1度もないんです。
うまくキャンペーンなんかを用意しているので、結局クーポンや広告の価格と同じか、それより少し割高だけど通常価格より安くコースが組めるカラクリになっていたのです。
今思えば、アレはNG🙅だったんじゃ…と…

これは絶対気をつけましょう。

割引率を上げれば上げるほど、リピート率や入会率は低くなる


5割7割引きで利用使用という人が、次回5割7割増でそのコースを利用すると思いますか?
割引率が上がるほど、利用者とサロンの間のギャップがますます広がるばかりです。
結果、リピートや契約は取りにくくなります。

お客様にも考えてほしいのですが、5割7割安くなった分、見返りを求められることを覚悟した方が良い。
SNSでタグ付けさせてくださいとか、口コミ全体公開でFBのタイムラインに書いてくれとか、宣伝用に写真撮らせてとかエトセトラ。

ギャップを埋めるための対策

クーポンの目的をきちんと伝えよう

クーポン誌や広告サイト側が、このクーポンがどういう目的で掲載されているのかを、きちんと利用者に伝えることです。
また、実際にそのクーポンを利用しようと予約の問い合わせを受けるときに、サロン側がこのクーポンがどういう目的のものなのかを伝えること。

何事も伝えるって大事。
伝えなきゃ分からないもんね!!
商売において、「察してよ」とか、すごい意地悪じゃないですか?

サロンのイメージが違った、合わなかった、自分の求めているものと違った、というのは仕方ありませんが、激安だから一度きてみた人のためのものではなくて、エステに通う習慣があった、実際にサロンに通おうか(入会しようか)検討する方のためのクーポンです。


クーポンや広告の打ち方を見直そう

その激安クーポンを利用して、あなたのサロンにこんな人に来てもらいたいなぁと思っているようなお客様が、実際に来てくれましたか?

私たちサロンがほしいお客様は、アンチエイジングなのか、リラクゼーションなのか、デトックスしたいのか、ダイエットサポートを受けたいのか、予防美容としてエステに通う習慣のある人、もしくはこれからそう言った目的でエステに通いたいと思っている人です。

クーポンももちろん、広告を打つときに、誰に来てほしくて、その人達にサロン側が何を提供できて、どんな風にサロンを活用してほしいのかを、明確にしておかなければ上手くいきません。


一貫したサロン理念と根拠ある価格設定こそ信頼に値する。

値引きについて以前にもブログをかいていますが、10年間個人でサロンを運営し、フリーランスとしていろいろなサロンを出入りしてきた経験から、これからサロンをやろう!とか、今後も長くサロンを経営していきたい!と思っている個人サロンのオーナー様たちに声を大にして言いたいのは、お客様に誠実でありつづけるために、安心して通えるサロンづくりに勤めくださいということです。

価格とは、企業のメッセージです。
提供販売するサービスや物品の価値です。
むやみにコロコロ変えたり、キャンペーンやクーポンという口実で価格を下げたり上げたりしないでください。

その価格に見合った内容であるのか、不足はないか、心構えが揺らいでいないか、ふさわしい人格であるか、+αの価値を提供できているか。
これこそ安心して通えるお店づくりといえます。

なんでもそうですが、一度価格を下げると消費者は今までよりも価格を重視するようになり、行く先には終わりのない価格競争の世界が待っています。

お客様にとっての、あなたのサロンの価値を自分自身で蔑まないでください。
良いときばかりではありません。
それでもその価値を守ってください。

安売りはプロ意識の低下を招く

そもそも開業するにあたって覚悟がないといい加減になります。
そんなことなくても出るんですよ、いい加減感。
趣味の延長とか、プライベートの混同とか、なんとなく漂うアマチュア感。
これは準備不足(開業時に現実を甘く見てた)だったりするとおこりやすいのかな~。

だいたいまず集客でつまずく。
収入が伸びない、減る
自信がなくなる
安売りしだす
収入が増えない
スキルアップ投資ができない
マンネリ化する
モチベーション低下 
プロ意識の低下
エンドレス迷走
心が折れる

こうならないためにも、自信なくても自信もって、自分の中のこう!っていうものを大切にして貫いてください。
収入が伸びなくても、簡単に集客できなくても自信をなくす必要はないよ。
安売りに手を出す前に、やれることは沢山あります。負けないで。


⭐この記事も呼んでみよう!
エステティック業界の契約優先順位→http://naturatelier.blog133.fc2.com/blog-entry-498.html?sp


⭐目的のない小遣い稼ぎの割引はするな→http://naturatelier.blog.jp/archives/21365297.html